どこへ行った? お正月気分

知り合いの占い師によると、東京で最も「気」の集まるところは、東京タワーと明治神宮だという。今年はいささか願い事もあり、4日の日に何十年かぶりに明治神宮へ詣でた。3が日も過ぎ、参拝の列もゆるやかで、穏やかな初詣となった。そう言えば。晴れ着姿はほとんど見かけなかった。これも当世だろうか。

風邪をひき、結局年末年始に外出できたのはこの日だけ。グータラ人間の私は、必然的にテレビの前にいることとなる。それにしても、見たい番組がない。今年もバラエティ一色。「ザ・テレビジョンお正月号」がむなしくテーブルに置かれたままである。この季節になると、テレビ情報誌がまだなじみのない昔、編集長をしていた婦人誌で、締め切りと競争しながら、紅白の歌詞カード(あなたの採点表つき)を新年号に目玉としてつけたことがなつかしく思い出される。それにしても、である。ナンだ紅白は。ボブ・サップ人気にあやかった猪木ボンバイエが、紅白裏番組史上2位の視聴率だったのはうなづける。

演歌ファンではないが、紅白にはやはり演歌が似合う。1年に1回くらい演歌を聴いて年越し気分を味わっても許せる、というのは私だけだろうか。一年中どこのチャンネルを見ても、毎日アイドルたちの歌の洪水である。NHKだって、ポップジャムをやってるだろう! 季節感、起伏のなくなった今日び、たまには寅さんが見たいと同じで、アナクロといわれようと、天下のNHKは、古色蒼然と非難されても、年に一度の紅白ぐらい、デンと構えていてほしいものだ。

とまあ、新年早々、憤っても仕方ない。早い話、お正月気分が、年々薄れていくのが、寂しいのだ。でも正月に限らず、デンと構えてより添えられるモノ、そんなものが、世の中になくなってきた。さて、私はというと、風邪でうなりながらも、大晦日には、恒例(?)のお煮しめを作った。家族の評判はともかく、20数年続くこの時間が、私にとってのもっともお正月を味わえる一瞬なのかもしれない。
(S)