株が大暴落したと騒いでいる。バブル後最安値を更新。株をやらない私としては、当面関係のない話だが、上場している株式会社がこの国の基幹をなしているいるわけだから、株の下落=会社価値の下落=働いている多くの勤労者にも結果として大きな影響が及ぶ。株をやってないからと涼しい顔でもいられない事情がここにある。けれど、株価についてはわからないことが多すぎる。たとえば、つい2年前に2万円をつけていた私も知っている優良会社の株価が、今2千円というのは信じられない。確かに売上も利益も落ちてきて、ボーナスが減って、やめていく人も多いな、とは思っているが、でもたった2年間で10分の1に価値が下がるほどとは思えない。2万円が高すぎたのは確かだろうが、2千円が妥当というのも極端に過ぎる。誰か、この、差額1万8千円を、合理的に説明してほしい。
私は、ギャンブルが好きだ。たとえば競馬での配当の場合、たとえ万馬券(高配当)であっても、人気薄が勝ったんだからそのくらいついて当たり前と、理由がすぐわかる。掛け金の総額からJRAが25%の寺銭を取り、その残りを当たり馬券の総数で割り配当が決まる。明朗会計である。株も、買う人、売る人、じっと持ち続ける人、その日の取引でその日その時々の株価が決まり、損した得したとなるわけだから、一件問題ないように見える。が、売った買ったと、ポーカーのように駆け引きに夢中になっていった挙句に、気がついたら2万円になっていたり、2千円になっていた、というのが実際のところだろう。これは正に安全弁のない危険なゲーム、ギャンブルである。駆け引き思惑だけが支配する、終わりのないゲームである。小さな個人では絶対勝てない。金のある奴、情報のある奴、組織のある者、負けてもまた賭け金を集められるしたたかな奴・・それが多くの場合最終的に勝者になる。この賭け手が、国家である、場合もあるだろう。
この株価というものに、成熟した近代資本主義の国家、企業が蹂躙されているように見える。おまけに、ボーダレスの世界だ。企業の現住所と、国籍は、ますます無国籍化する。ITを駆使したデリバティブといわれる金融先物取引、ヘッジファンドの政治的動き、地道な企業の業績、会社価値の現れであるべき株価が、こんなマネービジネスの暗闇に支配されている。それでも、会社の経営陣にとっては自社の株価が唯一の通信簿であり、株主からは際限のない株価の上昇を期待される。株を持たないオーナーではない上場会社の社長ほど、つらい商売もないだろう。ああ、小さな会社であっても、上場など考えず自分たちの分をわきまえ、自分たちの仕事の手ごたえを実感できる会社でよかった、と思う。たとえ、競馬で負けたとしても、それが、自分の小遣いの範囲であるなら、会社の価値には、まったく影響しない話だからである。
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