今週(6月1日)はいよいよ日本ダービーである。このところ、かつてほど燃えることがなくなったが、ダービーとなると血が騒ぐ。20代のころは、明けても暮れても、平日はマージャン、週末は競馬場通いだった。若いんだから少しは女の子と付き合う時間を作った方がいいんじゃない、と上司諸先輩を心配させたほどであったが、何せ、当時はデートするより遊んでいる方が断然楽しかった。その遊ぶ時間を作るために、よくできたもので原稿書くのはメッポウ早くなった。スピードシンボリ、アカネテンリュウの2年越しの有馬記念での死闘。テンポイント、ベルワイド、テスコガビー、アローエクスプレス、メジロムサシ、伝説の名馬たちをそれはたくさん間近に見てきた。怪物ハイセイコーが中央デビューする前、大井競馬場までわざわざ見に行ったこともあった。ナント、そこで、副編集長をしていた上司に出会って、以来暗黙の秘密を共有しながら、何かとかわいがってもらった楽しい思い出もある。世の中右肩上がり。時代もよかった。
日本ダービーは3歳牡馬の日本一を決める晴れ舞台である。すでに終わったが皐月賞、そして、この秋の菊花賞の3つのレースを制すると3冠馬となる。当時雑誌レジャー記者倶楽部に名を連ねていた特権で、ダービーはフリーパスだった。特等席で数々の名勝負を見た。中でも印象に残っているのがヒカルイマイの勝ったレース。4コーナーを回ってゴールまでの最後の直線、ヒカルイマイはまだどん尻にいる。いくら東京競馬場の直線が長いといっても、フルゲート28頭の一番後ろである。絶望的な差である。が、その大外をヒカルイマイは驚異的な脚で伸びに伸びて、ついには先頭でゴールを駆け抜けたのである。そのとき、まるで、他の馬が止まっているように見えた。これほど見事な追い込みを以後見たことがない。馬券で言えば、ダービーで馬連141倍の高配当を当て、高額専用の配当の特別窓口で、帯封つきのキャッシュをJRAの紙封筒に入れてもらったことがある。しかし、生涯トータルでみれば、もちろん儲からなかった。(それどころか、もし競馬をしていなかったら、大変な貯金ができていたに違いない。後の祭りだが・・)でも損得を超えて、実は私はターフを走るサラブレッドの美しさ、パドックで間近に見るサラブレッドの目の優しさ、サラブレッドそのものに魅せられていたのだと思う。
ダービーが終わると、宝塚記念などG1レースも残っているが、程なく中央の暑さを避けて、札幌、函館、新潟など地方開催となる。ダービーの終わりは、新しい季節“夏”の到来を告げる。さて、今週のダービー、サクラプレジデントの雪辱なるか、それとも距離が伸びて伏兵が現れるのか、結論は発走10分前までのお楽しみにとっておこう。クラシックはなぜか7枠が絡む気がする。さて7枠にはどんな馬が入るのだろうか。
(S)
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