テレビ週刊誌を賑わした、偽有栖川宮騒動。今さら事の顛末を記すまでもないが、殿下も妃殿下もその後の捜査当局の取調べにものらりくらり・・詐欺師の典型だそうである。それにしても、何でそんなのに引っかかるの?と、とりわけ出席した芸能人、有名人の面々のオツムを疑ってしまうが、芸能人、TVタレント、スポーツ選手、学者、はたまた有名ニュースキャスターなどが、関係なさそうなこの会社の発表会の場に、このパーティーの席になぜいるの?という場面を(記者という)仕事柄たくさん見てきた当方としては、報道をみて、どうせ人寄せパンダとしてギャラをもらって出席したんだろうと、最初は理解した。けれどこの会は、主催者からしてお金がない、というかお金を騙し取ろうというのがそもそもの目的。エスパー伊東が3万円包んだというから、ニセ妃殿下が是非呼んでと所望した石田純一を除いたら、みんな皇室と聞き、おそらく善意(?)で出席したに違いない。大掛かりな劇場型詐欺に、まんまと引っかかったわけである。
「あなたの周りにも詐欺師がいる、詐欺まがいのセールスがうようよしてる」・・ホント今日日油断もすきもあったものではない。ちょっと前のことだが夏にプールにいったら、その出口で「抽選会デース」と明るく呼び込んでいるレースクイーン風のギャルがいた。家族連れが早速引っかかる。子供が引いた三角くじが「大当たりでーす!」喜ぶ家族、ナント衛星放送の受信機器(市価3万円相当)が無料でもらえる、という。結局、機器は無料だが、契約すると6、7年間は解約できず、視聴者は視聴のための月々の会員費と、もちろん視聴料を払い続けなければならないという仕組み。これに似たのが今でもたくさんある。会場の出口で抽選会でーす、というのには要注意!大昔、場末の映画館で、これに似たような三角くじがあった。「ネックレスが大当り。ところでお客さん、あと2千円出しな、これ2万円もする品だよ。それが2千円で買えるくじに当たったんだよ」と、顔を見たら怖いお兄さんにお金を巻き上げられている現場を見たことがある。近くにいた私には思い出してもそれはコワーイ光景だった。
競馬場での悪質コーチ屋に注意!というニュースも最近見た。ああ、まだコーチ屋がいるんだと知り驚いた。昔は地方競馬場などには、コーチ屋がうようよいた。「ようお兄さん、どう、当たってる」などと気安く声をゥけてくる。あたかも旧知のごとくの馴れ馴れしさ。このレースはこの馬が勝負だよ、と手を肩に回し離さない。そして馬券を買わせる。さて当たったら、どうオレが教えたとおりだろうと、配当の分け前(ご祝儀)を要求する。断ったら、がらっと凄んでみせる。何のことはない、人に買わせて、当たったら分け前を掠め取る・・これがコーチ屋稼業である。今日も楽しくJRAなんてうきうき気分で来た、何も知らない若者は、彼らの格好のお客さんだろう。
会社にも怪しげな電話が始終かかってくる。中小企業向けの融資、先物取引、税金対策、リゾート会員権の勧誘等々。その手のものはまず電話を受けた段階で分かる。用件を言わない。そして必ず社長様はいらっしゃいますか、とくる。どちら様ですかと聞いても、吉田ですとか山田ですとか、名前しか言わない。ご用件はと、問い詰めると仕方なしに、ご融資のご案内でと、やっと用件を明かす。用件を明かすと、当社は必要ありませんのでと断られるので、今度は、前に社長にお世話になった者でとか、あたかも知り合いのようになれなれしい口調で語る。不信な気持ちで、社長が電話に出ると。「あ、社長様ですか。お世話になっております。吉田です。以前電話させていただきました者です」「え?何のとき、ですか。ええ、あの時、ほら金の先物のお話を聞いていただきまして・・」とくる。ここにきて、勧誘だと知る。友人だと偽る者も後を立たない。よく知っている名前だと、もしかしてあの吉田さんかもと思ってしまう。その吉田さんの場合もあって、うっかり取り次がないで失礼をしたこともあるから困りものだ。
あれだけ新聞、テレビで警鐘が鳴らされても、巷に「おれおれサギ」も後を立たないそうだ。新手の「おれおれ・・」も出てきて、手口はさらに進化し続けてるとか。マルチ商法、キャッチセールスもますます巧妙に。老人、主婦だけでなく、いい大人も、そして生意気を言っても世間知らずの若者も、一寸先には怖い落とし穴が待っていると知るべきだろう。しかも相手は犯罪のプロとは限らない。ネットオークションを見ても、ごく一般人が犯罪に手を染めている。ゆめゆめ油断のならない時代になってきた。
(S)
|