このところ、洋楽邦楽を問わず、ベスト盤が目白押し。CDが売れず、大ヒットが出ない昨今、レコード会社もミュージシャンもベスト盤は、手っ取り早い稼ぎの手段には違いない。ベスト盤というからには、それなりのレパートリーとステイタスが求められるが、リリースするミュージシャンの顔ぶれは玉石混交。ま、それぞれにファンがいるわけだから、小言はよしておこう。
さて、この秋ボクが買ったベスト版は「ケミカルブラザース」「アンダーグラウンド」そして「プライマルスクリーム」あたり。とりわけ、Cブラザース、Pスクリームは最高の出来だと思う。一方、息子(高1)は、すっかりメタルにはまって「メタリカ」「コアーズ」「スリップノット」「オフスプリング」と、買いまくり。新宿、渋谷、吉祥寺、御茶ノ水と、中古CDショップ通いに余念がない。お小遣いのすべてを注ぎ込んでいるのは確かだ。この秋「マリリンマンソン」「リンキンパーク」「メタリカ」のライブを見、そして、まもなく「リンプビズキッツ」、年が明けると、幕張メッセでコアーズ、スリップノット、3月には、懐かしや「ディープパープル」・・と、コンサートにもどーんと繰り出す。(残念ながら、チケットのほとんどを息子、娘、に取られてしまった!)
いい年になっても、息子娘と、メタリカあたりのギンギンのヘビメタを聴いているわけだが、そんな時間がボクにとっては一番幸せを感じるとき。根っからのロック小僧なんだろうか。そんなボクのDNAが、一見、のんびり屋の息子に確実に継承されているの見るにつけ、「オレの子だよなあ」と、心からいとおしく思ってしまうのだ。ロックは怒りの音楽、反抗の音楽でもある。若い子にとって、今の世の中、面白い分けがない。豊かにはなっても、建前だけの社会の仕組みが子どもたちの前に立ちはだかる。学校もそうだ、先生もそうだ、打算に満ち溢れた大人たちで満ち満ちている。ロックはそんな閉塞感をぶち破ってくれる。子どもたちの純で鋭角なセンサーは、とっくに世間をお見通しだ。親だってその一部だ。かくいう私もつい「勉強しろよ」と言ってしまう父親だ。ただ受験のための勉強をしたって、それでいい学歴がついたからって、これからの世の中どうなるというわけでもないのに。そう分かっていても、子どもの前では平凡な、そこら辺の父親に、私も過ぎないのだ。子どもの純粋さに向き合うことのまぶしさ、それは多くの大人が自ら捨てさり、あるいは失っていったものの大きさに比例するのだと思う。
大音響のロックの中で、私は、子どもたちの横顔を、何気に眺めながら、そんなことを想ったりしている。そして、心の中で叫んでいる、「そう、それでいいんだ、もっと激しく、もっと過激に、ロックを楽しむんだ!」
(S)
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