欧州リーグ戦が終わって

欧州サッカーの長いシーズンが終わる。今年もテレビで眠い目をこすりながら観戦を楽しんだが、例年と違うのは、日本人選手のプレーを見たいというそもそもの目的を離れて、日本人のいるいないに関係なく、各国リーグの熾烈な戦い、優れたプレイヤーたちに関心が移ってきた点である。サッカーの魅力のとりこになりつつある、と感じる。
そのきっかけを作ってくれたのが、プレミアリーグ(英国)で今期優勝したアーセナルである。日本でもおなじみのベンゲル監督が(チャンピオンズリーグは逃したが)今期はすばらしいチームを創り上げた。ベンゲルの戦術眼、選手たちにみなぎる闘争心、FW,MF,DF・・それぞれのポジションを選手たちは忠実にこなし、絶妙なコンビネーションでボールをゴールへと操った。ゴール前には今期プレミアの得点王アンリがいる。目下世界最高のFWが輝きを放つのだ。アーセナルの無敗記録も、アンリなしには成し遂げられなかったろう。ボールを持つときも、持たないときも、僕はフィールドのアンリに釘づけになった。それにしても、今期のアーセナルは完璧だった。サッカーは11人でするゲーム、そんなシンプルなサッカーの真髄を、ボクに教えてくれた。

セリエA(伊)はACミランの圧勝だった。MVPはシェフチェンコで異論はないだろう。プレミアのマンチェスターユナイテッドと同様に、ここでは強豪インテルが元気なかった。スペインリーグは、ベッカム加入のレアルマドリードが無冠に終わった。豪華な攻撃陣に比べてDFの手薄さが敗因といわれているが、ラウール、ジダン、ロベカル、ロナウド、ベッカムとスターをそろえただけで勝てるほどサッカーは甘くないということだろう。それは富豪のロシア人がオーナーのプレミアのチェルシーにもいえること。カネの力だけでは勝てないということだ。それだけに、アーセナルというチームにすがすがしさと同時に、サッカーにおける戦術、組織の重要性を思うのだ。

日本人選手は、後半息切れしたが、パルマからボローニャに移った中田がそれなりの活躍をした。中村俊輔は怪我、それに監督の交代の影響もあったが後半は出場機会もなく正念場に立たされた。来期どうするのか。いい移籍先の話があればいいが難しい。日本代表すら危うい大ピンチを迎えている。一方、安定した力を見せたのはフェイエノールト(オランダ)の小野。チームは3位でCL進出を逃したが、彼自身(怪我が多いのが難だが)
今後欧州のビッグリーグ移籍も見えてきたのではないか。稲本も残留は微妙だが地力がつき、たとえフルハムを出されても必ず欧州で彼を必要とするチームは現れるだろう。高原は厳しい。柳沢も日本へ帰らなければならないか。戸田、川口あたりはどうするのか。きっと意地でも帰らないだろうが・・

 さて、ワールドカップはもう再来年。我が「ニッポン」は、1次リーグが終わればいよいよ強豪ひしめく最終予選だ。チェコに勝って首がつながったジーコだが、ボクには「ニッポン」というチーム像が全然見えない。ジーコというビッグネームに惑わされてはいないか。まったく不安である。プレイヤーの個々の力の云々ではなく、ニッポンとしてのチームの戦術、全体像が見えないのである。だから困った。欧州のクラブチームを見るにつけ、監督の手腕がいかに勝敗に直結するかを痛感してきたからだ。3バック、4バックなのか、個人なのか組織なのか、チームリーダーは誰なのか(中田のいないチェコ戦に勝ったのは皮肉だ、これが今後尾を引きそうな予感)・・そろそろその答えをジーコに聞きたいが、このまま結果オーライで進んでいっては大きな禍根を残すことにならないとも限らない。勝負の世界、負けたらおしまいなのだ。
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