|
ワイドショー、ニュースは選挙一色。9.11までこの騒ぎはエスカレートする一方だろう。自公が勝てば衆院で郵政民営化法案を可決し再び参議院での再度の採決になる。参院は今回選挙がないから、常識から言えば同じ投票行動を取り再び否決される。そうなると法案は再び衆院の場に戻るが、今度は衆院で三分の二がないと成立しない。衆院で勝てば、国民の声を背景に参院は賛成に回らざるを得ない、だから成立すると賛成派は自信を示すが、そのためには衆院で圧勝する必要がある。微妙な議席になった場合、参院での採決は政界再編を含めたどろどろの戦いとなるに違いない。
こんな時、大地震、テロが起こったらどうなるのか。郵政民営化に賛成反対だけで決める分かりやすい選挙と政権執行部は強調するが、郵政賛成派への刺客として送り込まれたホリエモンやら著名人候補に(まあ、よくもこんなににわか政治家志望がいたものだ)、日本の大事や進むべき道へ、どれほどの考えと覚悟があるというのか。皆口をそろえて、郵政賛成、小泉構造改革を助けるために立ったというが、それだけで、国会議員に滑り込んじゃたまりませんよ。郵政以外の政策を国民は白紙委任するわけには「そうはいかんざき!」(?)。議会制民主主義国家である以上、我々の代議員たる国会議員の国会での一票が国の進路を決めるからだ。拉致問題、核の脅威、日米の関係、イラク問題、環境エネルギー問題、国連常任理事国入りなど、日本がグローバル社会の中でどんな位置を占め、何を国益として勝ち取っていくのか。年金社会保障など先送りされ続けてきた他の重要な内政問題はもちろんのこと、選挙で選ぶ以上、これらについて、立候補者は所信を明らかにする責務があるのは明白だ。
郵政に賛成か反対かがいつの間にか改革に賛成か反対かになっている。こんなに分かりやすい選挙はないと、評論家もメディアも言い、みんなその構図に見事にのせられている。深夜ラジオで爆笑問題の太田が「郵政民営化に賛成か反対かを、どーしても国民に聞いてみたいと小泉さんが言うなら、解散なんかしないで住民投票にすりゃいい。郵政に賛成か反対かだけでは、投票のしようがない。国会議員を選ぶのに、他の政策にふたをしてしまって、これだけで選べっていうのは乱暴、まやかし。ホントに興ざめ。解散を自分たちの政争の思惑に使ってる。国民をなめてます。投票に行かないことで、この茶番劇に自分の意思を示したい」と言っていたが、同感だ。
自公が勝っても、自民は一枚岩ではない。小泉人気の傘に巧みに隠れたオールド自民党の面々もごっそりいるし、自民党の秩序(当選回数、派閥)の崩壊をチャンスととらえる若手議員との世代抗争が激化する。民主党はもともと同床異夢政党。いずれにせよ、今後、おそらく10年はガラガラポンといわれる、合従連衡が進み政治は液状化する。内政問題が落ち着かない国は、他国の絶好の標的である。経済も、安全保障も、停滞と混乱の時がはじまる。こんなとき、大地震、テロが起こらないことを祈るしかない。以前このコラムに書いたが、まさに、あらゆる20世紀型のモデルが崩れる「引き潮」の時代に突入したといえる。政治の世界もその渦中にある。小泉純一郎がその流れを加速させたのは確かである。(S)
|